スライドメソッドの醍醐味は
噛めば噛むほど味が出る
スルメのように何度も訪れますが
最大の感動イベントは私が
「ドミノが倒れる時」と呼ぶ瞬間です。
それは、十分な数の音の「型」を
丁寧に理解したころに突然訪れます。
そしてその後雪崩のように
何度も訪れます。
連動する日本語の筋肉が
長年のしがらみから解放され
パラパラと剥がれる瞬間です。
まるで死んでいくかのような
何もかも諦めていくような
連動の解除。
その瞬間
表情筋と咀嚼筋から切り離された舌は
水面に力なく浮き
羽の生えた生き物のように
ひらひらと軽く舞い始めるのです。
顎は置き去りに。唇も頰も無関係に。
ある生徒さんはこの状態を
「先生、これは脱力なんてもんじゃないです。これは死です。自分が死んで水死体になって上向きに浮いているような状態です。」
と感覚を鋭く解説してくれました。
十分な時間をかけて
各音の脱力状態に向き合い
(スライド練習の5つのポイントが全て正しく緩んでいることを確認しながら)
そこに落ち着き、
単語やフレーズを
いつもよりふわっとリラックスして
不注意に発音しちゃった瞬間などに
「ドミノが倒れる時」は
起こります。
今週ドミノが倒れ始めた方々にお贈りします。
心から、おめでとうございます㊗️
Comments